農業共済新聞(長崎県版)2004年2月1週号
「循環型燻焼炉を開発 大村市・里脇製作所」 農産廃棄物を無煙で炭化処理
食糧・農業・農村基本法で農業の「自然環境機能の維持増進」が不可欠であるとされ、「環境保全型農業」の推進に伴い、環境保全の面から農産廃棄物などの適正処理の対応が求められている。こうした中、大村市の里脇製作所(里脇岩男代表取締役)では、規格外農産物を従来と異なり、炭、乾留水、セラミック灰などにリサイクルすることを目的として循環型燻焼炉を開発・製作した。
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有害物質の排出なし
灰は自然還元、乾留水は土壌改良材などに
循環型燻焼炉は、処理炉(リサイクル機)と無煙装置からなり、農産物を炭化処理する。特徴は1.二酸化炭素、ダイオキシンを大気中に排出しない。2.水分を多く含んだ植物残渣が処理でき、処理後の残留物の体積も小さい。3.処理後の残留物は再利用できる。
処理炉に補助燃料材としての木材と農産物(50〜100キロ)を投入すると、密封した炉の中で、時間をかけ(5〜8時間)輻射熱で燻焼する。燃料は電気を熱源とし、化石燃料を一切使わない。
高い安全性
炉内の温度は最高800〜1千度に達し、農産物は200分の1〜300分の1に減容する。処理炉は稼働中でも手で触れる程度(50度ほど)で、火災発生の危険性ややけどの心配もほとんどなく安全性も高い。1ヵ月のランニングコストも安価という。
また、処理炉は無煙装置とダクトで接続され、炉の中で発生する水蒸気や煙などはこれを通して循環され乾留水(酢液)を取り出すことができるうえ、繰り返し処理するので高くした煙突もない。炉から最終的に排出される灰は自然に戻すことができるし、乾留水は害虫忌避材や土壌改良材として使用が可能だという。
手間かからず
この炉を設置している島原雲仙農業協同組合・小浜営農センターの本多英明センター長は「選果でえり出した規格外品をそのまま投入すれば、途中で手を加える必要もなく作業の手間がかからないし、1ヵ月使ってもわずかな残渣しか出ません」と有効性の高さを評価している。
また、04年度に立ち上げられる県の「公設試験研究機関連携プロジェクト」でも、循環型燻焼炉の処理能力、生ごみや畜ふんなどの炭化に関しての適応性や成分分析などについて研究していくこととしている。
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